トート・タロット
Thoth tarot
私がリーディングでメインに使用しているカードは、トート・タロットです。
タロットの世界では最もポピュラーとされる、
ライダー・ウエイトの次に有名なカードではないでしょうか?
トートのアヴァンギャルドでアーティスティックな絵は
深層心理の奥深い部分が刺激され、イメージとして使いやすいカードです。
トート・タロットは希代の魔術師アレイスター・クロウリーによって、彼の晩年に製作されたカードです。トートの特徴的な絵は、フリーダ・ハリスという女性によって描かれています。
ハリスは何度も何度も絵を描き直して、完成までには五年もの歳月が費やされます。1944年に「トートの書」という解説書が出版されるのですが、これらが更にタロットカードという形を成して世に出るまでの間に、二人ともこの世を去ってしまいます。
そして1969年、クロウリーの友人の手によって、遂にトート・タロットは出版されたのでした。
トート・タロットのカードは、全部で78枚。
大アルカナ(アテュ)22枚 と、小アルカナ(スモールカード)56枚 で、
構成されています。
トート・タロットには、正位置/逆位置という考えがありません。
正しかろーが、
逆さだろーが、
斜めだろーが、
カードはカードであって、本質的な意味に変わりはない。
一枚のカードの中にポジティブな意味もネガティブな意味も、
全てがその中に込められているという形で扱います。
タロットカードは、多くの人が持っているイメージと違い、実は未来予知には不向きなツールです。未来ではなく、あくまで現在をクリアに映し出してくれる「鏡」として使うことのできるツールなのです。
過去も、現在も、未来も、 全ての結果は「今ここ」にあり、未来の可能性も「今ここ」で、あなたが知ることができる。 人の無意識のパターンは非常に根深く、そして非常に巧妙なので、自分では新しい選択をしているつもりでも、何度も同じパターンを繰り返しています。一人でグルグルと堂々巡りしてしまう思考の世界から、一つ違う次元へ“ポン”と抜け出すことができる……タロットはそうした事を助けてくれる、とても賢い友人のようなものです。
トート・タロットは、自分の中で絵のイメージと解釈がうまく結びつくと、とても深いリーディングをすることができるようになります。